光システム工学特別講義I, II
(Advanced Engineering for Applied Optics Systems I, II)
(博士後期課程・1年前期(I)・後期(II))
講義の概要・方法 | 授業計画 | |||||||||||||
成績評価の方法 | 教科書 | 参考書 |
我々の周りに存在するほとんどの物体は,光の波長のスケールではランダムな構造を有している.そのため,レーザ光のようなコヒーレントな光は,ひとたび光源を発すると外界の物体によってランダムな散乱を受ける.このような光散乱現象は,散乱媒質の性質や観測する領域に応じて多様な様相を呈する.光散乱はレーザの工学的応用においては光学的ノイズとして問題となる一方で,それを積極的に利用する光計測や光学システムも考案されている.
光システム工学特別講義Iでは,様々な光散乱現象について,主として2次元的広がりを持つランダム媒質による散乱現象について,その現象の基礎的理論と光工学における応用例を学ぶ.
また,光システム特別講義IIでは,主として3次元的広がりを持つランダム媒質による光多重散乱現象について,その基礎的理論と応用例を学ぶ.
ただし,受講者の研究テーマや履修履歴等により,講義内容を変更する場合もある.
学期 講 義 内 容・目 標 前期
(I)1. 数学的基礎:複素確率過程 2. 2次元ランダム媒質光散乱特性 3. 2次元ランダム媒質による光散乱場の特性:回折領域 4. 2次元ランダム媒質による光散乱場の特性:像領域 5. 2次元光散乱を利用した光計測・光情報処理システム 後期
(II)1. 3次元ランダム媒質からの光散乱現象の基礎 2. 単散乱現象と多重散乱現象 3. 前方散乱現象と後方散乱現象 4. 多重散乱現象におぇるコヒーレント効果 5. 非一様ランダム媒質からの光散乱現象 6. モンテカルロシミュレーションによる光多重散乱現象の解析 7. 3次元光散乱を利用した光計測システム
出席状況,講義における討論,課題演習などに基づき総合的に評価する.
必要な資料を配付する.
必要に応じて適宜示す.